最果タヒ作『少女ABCDEFGHIJKLMN』感想 詩人の最果タヒさんが書いた中短篇集。たくさんのこの本の感想や、金原瑞人さんの書評(『文藝』2016年秋号収録→こちらからも読めるゾ(web版))にもあるように、非常に詩的。小説なのに。あまりにも詩的。だから、分からない、という感想が多いっぽい。まあ、かくゆう僕も?ばかりだけど、それでも、惹きつけられる魅力がある。 以下、惹句と冒頭に収録されている「きみは透明性」の書き出し引用です。いま、最果タヒにより、文字が、言葉が、物語が躍り出す。 「好き、それだけがすべてです」——最果タヒがすべての少女に贈る、本当に本当の「生」の物語! 姉は、愛に満ちている。やわらかなまつ毛に包まれた頑なな瞳、太陽を頬張ったような頬ももう見えない...2016.08.31 13:37青春読書SF
映画「君の名は。 your name.」感想 入れ替わる場所/出会う場所 見てきた。土曜は出勤日なのだけど、午後からなので、午前中いけんじゃん!?!?!?とか調子乗って見た結果、映画の余韻で仕事に集中できず、しかし、残しておきたかったその余韻は仕事のトラブルに対応していたら胡散霧消していた。返してくれ。 仕事の前に映画見るの、辞めたいと思います。 以下、ネタバレが多分にあります。ご注意を。2016.08.28 16:36アニメ映画エンタメ青春
綿矢りさ作『蹴りたい背中』感想 なんか、教養として、現代文学の有名作品を読んでおかねば、という気持ちになった。というわけで第一弾、綿矢りさ『蹴りたい背中』です。最年少芥川賞受賞で、世間を賑わした本作品。天邪鬼の私は、世間で賑わってるものは読みたくない人だったので、読んでいませんでした。そのこと、非常に後悔しております。 以下、あらすじと冒頭引用。”この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい”長谷川初実は、陸上部の高校1年生。ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、彼の部屋に招待されるが…クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、文学史上の事件となった127万部のベストセラー。史上最年少19歳での芥川賞受賞作。 さびしさは鳴る。耳が痛くなる...2016.08.28 06:56純文学青春読書
村田沙耶香作「コンビニ人間」感想 コンビニってのはすごく便利っすよね。マジでなんでもそろってる。小腹が減った時の食料から、替えのパンツ、髭剃りまで。旅行行くのにも何か用意して、なんて手間がなくなった。もう、コンビニなしでは生きられない。 平成二十八年上半期芥川賞受賞作、『コンビニ人間』の感想になります。以下、あらすじと冒頭引用。36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられ...2016.08.20 20:12純文学読書
『ユリイカ 平成28年8月号「あたらしい短歌、ここにあります」』感想 「『ユリイカ』持ち歩いている人ってかっこよくね?」なんて会話をしたことがある。心の底からピュアな僕は「そうなんだ!!!」と思って、雑誌『ユリイカ』を一時期持ち歩いてました。はは。 『ユリイカ』は青土社から出ている芸術評論集。「詩と批評」っていう副題がついてます。なかなか取り扱う範囲が幅広く、面白い。近刊では新海誠も特集されます。ほかにも、不思議の国のアリスとか、森博嗣とか、西尾維新とか。そういったものからダダのシュルレアリスムまで。 そして今回は短歌です。あれです、「五七五七七」からなる31文字の小宇宙。 僕はそもそも「詩」というものが嫌いで、でもここ最近好きになった、なんてことはこちらに書いたけれども、その影響で「短歌」にいくの...2016.08.10 04:09詩読書
ながいんだかみじかいんだか ブログ開設一年が経過!!! こうして一年という区切りにブログを更新する必要性はまったくと言っていいほど無いのだけれど、区切りは区切り。最初の一年が続いたってわりと大事なんじゃないかなあと思うんですよね。続けることがなんとやら、とか言います。もうカビが生えてそうな「継続は力なり」なんて言葉あります。 ということで。 こんな記事を見ているような人は、何回か訪問してくれてる人たちだと思います。ありがとうございます。 ブログなるものは、読者(つまりはあなた)に有益な情報を提供しないといけないらしいですね。初めて知りました。ブログ始めてブログ界隈の人たちとか、ブログ論なるものとかが目に入るようになりまして、字を読むことは嫌いではないので目に...2016.08.08 12:19雑感