宮内悠介『偶然の聖地』感想 あたまでっかちで世間知らずの旅 今、テレビで芸能人の作品を「才能アリ」だとか「才能ナシ」だとか判定している。「才能」……こういうテレビを見ていると「才能」とは相対的なものである気がしてくる。俳句の権威が「この句は良い」と言うから「才能アリ」、生け花の権威が「この生け方はダサい」と言うから「才能ナシ」、権威あるだれかに認められてこそ「才能」なるものは見出される。でもしょうがないのかもしれない、ぼくは「才能」を絶対的なものとして捉えたいけれど(うちの子はやっぱり天才!!、みたいに)、そう信じているぼくだって勝手に他人と比較して自分に「才能ナシ」の烙印を押している。 車の試乗に付き合わせた友人に「お前の運転の練習がてら明日旅行行こうぜ、明日暇?」と誘われた。よっぽど下...2019.05.02 14:31雑感読書SF