十市社作『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』感想 Twitterで大森望さんが大絶賛していた本作。手に取ってみた。以下、あらすじと冒頭引用。高校入学七ヶ月目のある日。些細な失敗のためクラスメイトから疎外され、”幽霊”と呼ばれているぼくは、席替えで初めて存在を意識した同級生にいきなり話しかけられた。「まだ、お礼を言ってもらってない気がする」――やがてぼくらは誰もいない図書室で、言葉を交わすようになる。一方、校舎の周辺では小動物の死骸が続けて発見され……。心を深く揺さぶる青春ミステリの傑作。 ぼくの席は窓際の最後列にある。毎朝、ぼくは始業時間ぎりぎりに後ろの出入り口から一年A組の教室に入り、気配を殺してそっと席に着く。誰とも挨拶を交わさないし、誰一人として僕を振り返らない。黒板の上の...2016.06.29 14:22青春ミステリ読書
矢口祐人著『奇妙なアメリカ 神と正義のミュージアム』感想 最近アメリカに興味がありまして。宮内悠介『アメリカ最後の実験』とか読んだし、伊勢志摩サミットのついでにアメリカ大統領のバラク・オバマが広島を訪問しまして。日本にとって歴史的な日なんじゃないかな。2016年5月27日。後世の日本史の教科書に記載されてもおかしくないと思います。 そんなこんなでアメリカって国について。考えるきっかけにと思ってふと目についた『奇妙なアメリカ 神と正義のミュージアム』を購入してきました。以下、惹句です。博物館から見える「奇妙なアメリカ」アメリカ人はなぜ「進化論」を否定し、「核兵器」を賞賛するのか。「真珠湾」と「9.11」はいかに語られているのか。どうして田舎町に巨大な「成金美術館」が作られ、首都ワシントンに...2016.05.31 15:15ノンフィクション読書