ルイス・キャロル作『不思議の国のアリス』(矢川澄子訳)感想 子どもにしか許されていない特権 そういえば、僕はファンタジーが好きだった。 以下、惹句と引用。ある昼下がりのこと、チョッキを着た白ウサギを追いかけて大きな穴にとびこむとそこには……。アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の物語は、作者キャロルが幼い三姉妹と出かけたピクニックで、次女アリス・リデルにせがまれて即興的に作ったお話でした。1865年にイギリスで刊行されて以来、世界中で親しまれている傑作ファンタジーを金子國義のカラー挿画でお届けするオリジナル版。 アリスはそのとき土手の上で、姉さんのそばにすわっていたけれど、何にもすることはないし、たいくつでたまらなくなってきてね。姉さんの読んでる本を一、二度のぞいてみたけれど、挿絵もなければせりふもでてこない。「挿絵もせりふ...2016.10.29 18:52
朝井リョウ作『何者』感想 「何者」かになるための魔法の言葉もしくは呪文 僕は弱っちい人間なので、周りの同世代と比べればほとんど「就活」をしていないに等しい。今、なんとか「大人」として社会の荒波に揉まれることができているのはおそらく、ラッキーだ。 小さい頃の無邪気な僕は、なりたいものになれるものだとばかり思っていた。パイロットになりたい、本屋さんを開きたい、先生になりたい、編集者になりたい。しかし、思い通りに行くはずもなく。 今の僕は「何者」かになれたのか。 以下、あらすじと冒頭引用です。就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活...2016.10.18 17:17青春読書
WiiUソフト「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD」感想 恥ずかしながら、ゲーム好きを、しかも任天堂派を名乗っていながら、「ゼルダの伝説」シリーズはプレイしたことのなかった僕。理由は「怖いから」。ダークな世界観、気持ち悪い敵(リーデッドとかライクライクとか)、その場その場での判断が求められるアクションゲーム、などなどの要因を前に尻込みしてました。 いま、このゲームをプレイしていなかったことに、ただただ、後悔、しております。2016.10.11 14:45ゲーム雑感