ボンヴォヤージ(短歌十首)「献杯!」と掲げたお猪口が音を立て羨む故人を偲ぶ「打ち上げ」ふんばれる魔法をかけてくれた場所ふんばってゆっくりゆっくり納棺バックミラー越しの涙がたまる「もうちょっとだけ早く、集まれればね」びっこひく坊主のカラダがひょこひょこと気になって気になって死にきれない背骨です、魔法をつかった代償の背骨を二人でつまんでいれて父のさかづきは震えて「カッコいい」震えるバイクにまたがっている祖父重箱にありがたそうに色づいて鰻が、鰻が、食べられなかった母としての母妹としての母姉として娘としての母聞こえないはずの祖父の声がふいに対談の口調でぼくを襲った語られた思い出たちがきらめいてはじけてどうか良い船旅を2023.01.22 12:27詩