虚 結局は入り口と出口が同じなんてさみしくてたまらない。 要は友達が欲しいってこと。――やくしまるえつこ×円城塔「フラグメンツのあいびき」(『S‐Fマガジン』2016年6月号)より 寒い。今日は一段と冷え込んでいる。明日は霜が降りるらしい。もう四月も終わるというのに。 非常に滑稽なんだ、自分が。と同時に、虚しさも同居する。 四畳半からほぼ倍の新居に引っ越し、いつでも会いたい人に会える環境から引っ越し、ものが溢れていない部屋に引っ越した。昔は埋まっていた空間にはいま、寂しさが充満している。 休みの日は寂しさを纏い、本を開く。電源を付ける。そして酒をあおる。 ある友人は言う、「友情なんて続かないものなんだ」と、「一生涯の友情なんてないんだ...2016.04.29 17:15雑感