知る/表現する

 知ることは楽しい。自分のちっぽけさを実感できる。まだまだ知ることができるとワクワクする。


 表現することは苦しい。自分はなんでも知っていると、どこかで自分をごまかさないとできないから。表現したその世界は僕が神であって、コントロールしなければならないから。でも、僕はまだなにも知らないことを自覚している。その乖離が、僕を苦しめる。


 その苦しさの地平に、表現することの楽しさが待っているのだろう。知らない自分と知っている自分をうまく使い分けながら作り上げるその世界は、どうしようもなく僕の世界だ。


 そんな世界を無条件に愛すことのできる人間になりたい。


(卒業論文に立ち向かい、自分の考えたことなど、先人たちがとっくの昔に明確に論文に示されていることを突きつけられている、そんな状況に追い込まれながら)

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